真空成形品の外観は、組み付けた状態で見える面を区分し、光源、観察距離、観察時間、欠点の限度を組み合わせて判定します。ウェビング、チルマーク、白化では発生の仕組みが異なります。まず位置と形を記録し、設計、成形、トリミング、取り扱いのどこで対処するかを整理します。発注側と供給側が同じ限度見本を使える仕様にすることが、受入条件をそろえる出発点です。
A・B・C面は組み付け後の見え方で区分します
A面を通常の操作時に見える主外観面、B面を側面や限られた姿勢で見える面、C面を組み付け後に隠れる面とする方法があります。これは案件の区分方法ですから、名称と範囲を図面で定めます。前面カバー、側壁、取付フランジを別の色で示せば、同じ部品の中でも求める外観を伝えられます。
観察方向は製品の組立図から決めます。正面の連続曲面と、保守扉を開いたときだけ見える内壁では、見られる条件が異なります。区分線は丸みや合わせ目のどこまでかを示します。「外観良好」という図面注記だけに比べ、位置の明確な区分図と承認見本がある方が、現場で判断する対象をそろえやすくなります。
機能上の要求は外観区分と並べて指定します。隠れるフランジのばりでも、組立を妨げたり接触する部品を傷付けたりする場合があります。一方、見える面の軽いシボ変化は、取り決めた観察条件で限度見本と比較します。外観、寸法の嵌合、端面の接触用途を別の項目にすれば、それぞれの判定結果を記録できます。
ウェビング・チルマーク・白化は発生経路を分けて見ます
欠点の呼び方を決める前に、現物で観察した形を記述します。光沢の違い、白い部分、折れた隆起は写真では似ていても、対処する位置が異なります。型に接する方向、周辺の突起、仕上げのトリム線を図面に記し、表面と断面、組立状態の関係を現物と照らし合わせます。
ウェビングは突起の間に余ったシートが折り重なる現象です
ウェビング(網目状のしわ)は、隣り合う凸形状の間でシートが折り重なって残る現象です。急な高低差や狭い突起間隔があると、周囲から先に型へ接触し、残る材料の逃げ道が小さくなることがあります。間隔を広げる、移行部を緩やかにする、成形方向を変える、部品を分割する方法を形状と合わせて考えます。
試作品では、折れの根元と両側の輪郭を一緒に撮影します。取付面や外観の合わせ目にかかっているかも記録します。設計変更では折れ跡だけを削るのではなく、材料が通る経路を変えることが中心になります。軽微な跡を許容する場合も、位置と境界を限度見本に残しておきます。
チルマークは早い接触による局部冷却を追います
チルマークは、温かいシートが冷たい面へ早く接触した部分に現れる外観差です。型の突出部や急な曲がりで接触順序が変わると、一部が先に冷え、周囲が引き伸ばされ続けることがあります。光沢の変化や接触跡を、角部の丸み、成形方向、加熱分布、型への到達順序と関連付けて調べます。
同じ形状に沿って跡が繰り返されるかを見て、型接触面の図へ位置を記します。移行部を広げることや材料の到達順序を変えることが、検討する方向になります。材料グレード、シートの表面方向、型面の状態を記録すると、成形中の跡と原板の光沢差を区別する際の情報になります。
白化では色の変化と肉厚を別々に記録します
白化は局部の色が白っぽく見える変化で、引き伸ばし、応力、取り扱い時の曲げなどに伴う場合があります。深い角部や最後に型へ接する領域は、材料の分布と一緒に見る箇所です。色の変化した位置に測厚点を対応させ、丸みや深さの変化、材料がそこへ流れる経路を調べます。
型から外した後や運搬後に発生した白い跡では、つかむ位置と曲げられる箇所も確認します。包装の接触点や取付時の荷重は、成形時とは別の経路で跡を生じさせます。初めて発見した工程と、処置する前の写真を残します。修正後の判定には外観だけでなく、肉厚と組付け状態の再確認も含めます。
シボ・切断端・反り・取り扱い跡は見る場所を変えます
シボの伸びは同じ方向をそろえて比較します。深さの変化に沿ってシートが伸びると、模様の間隔と光の反射も変わります。原板のシボ方向、形状の移行部、型接触面を図面に指定します。隣接するカバーでは、単品中央だけでなく、組み付けた合わせ目をまたいで模様の見え方を調べます。
ばりと欠けは切断端を中心に調べます。開口、溝の端、完成した外周では、工具経路、進入と退出の位置、加工中の支え方が端面に影響します。人や隣の部品と接触する用途、ばり取りの状態、外観区分を図面に書き、加工側と検査側が同じ完成線を使えるようにします。
反りは指定した支持方法と部品状態で判定します。自由に置いたカバーと枠に取り付けたカバーでは形が変わる場合があり、見切りの隙間もその状態に対応させます。傷と打痕では、重ね方、仕切り材、治具、包装の支点をたどります。保護する面を先に区分しておけば、接触位置と不具合位置を比較できます。
光源・距離・時間を決めてから欠点限度を書きます
観察条件は当事者間で取り決めます。光源の種類と方向、部品の向き、観察距離、観察時間、観察中の動かし方を記載します。拡大して見る場合は、拡大方法と目的を別に示します。洗浄済みトレーの異物を探す作業と、設備カバー全体の光沢を判断する作業では、観察の尺度と目的が異なります。
欠点限度には、種類、大きさ、数量、発生する区域、集中状態を含めます。「端部」と「中央」の範囲は位置図で定義します。欠点の寸法は取り決めた方法で記録し、色や光沢を数値で扱うときは対応する方法も指定します。境界見本と明確な限度超過の見本を用意すると、文章のどの条件で判定が変わるかを伝えられます。
保護フィルムの有無、清掃状態、自由状態か組付け状態かもそろえます。包装を開けて見つかった擦れと、組付け時に生じる応力白化では、対処する工程が変わります。発見工程、包装状態、試料の識別を記録し、原因に対応した工程へ情報を戻します。
外観受入表は欠点ごとにA・B・C面の限度を分けます
表の各行では観察する現象を定義し、A・B・C面の限度を個別に記入します。下表の空欄は、図面と見本を用いて当事者間で取り決める部分です。実際の部品に合わせて検査条件と判定方法を調整し、承認した表の版、区分図、見本番号を注文資料へ含めます。
| 欠点 | 定義 | A面限度 | B面限度 | C面限度 | 検査条件 | 判定方法 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ウェビング | 隣接する凸部間でシートが折れ重なる状態 | 区域と観察方向を明示する | 承認した限度見本と比較する | |||
| チルマーク | 早期接触と冷却後の局部的な光沢差や接触跡 | 光源・姿勢・表面状態をそろえる | 位置図と限度見本で比較する | |||
| 白化 | 表面の色が局部的に白く見える変化 | 発見工程と測厚箇所を記録する | 外観と肉厚を分けて判定する | |||
| シボ変形 | 引き伸ばし後の模様間隔や方向の変化 | シボと観察方向をそろえる | 組付けた状態で比較する | |||
| ばり・欠け | 仕上げ端面に残る材料や欠損 | 穴・溝端・外周を対象にする | 端面要求と見本で判定する | |||
| 反り | 指定した支持状態での形状のずれ | 支持・置き方・温度状態を定める | 形状と組付け隙間を別記する | |||
| 傷・打痕 | 接触や圧力によって生じた表面の跡 | 包装と接触区域を記録する | 区域・寸法・数量限度で判定する |
外観受入テンプレートをダウンロードして、欠点の大きさ、数量、承認情報を記入できます。支持状態と寸法の組み合わせは大型の厚板真空成形品、公差と図面の決め方を参照し、外観判定と寸法結果を別欄に残します。
限度見本は版と位置図を付けて保管します
限度見本は、承認された判定の境界を示すものです。材料、色、シボ、外観区分、観察条件を一組で登録します。対象箇所と方向を明示し、必要に応じて尺度を添え、同じ角度で写真を残します。許容境界と明確な限度超過を分けておくと、検査担当者へ違いを説明できます。
見本は擦れ、汚れ、光、重ね置きによって判定対象が変わらないよう保護します。取り出した時点と返却時点の状態を記録します。写真は追跡に役立ちますが、反射や露出、表示画面によって見え方が変わるため、実物を用いる比較の方法も承認条件に含めます。
図面、材料、型面、製造ルートを変更したら、既存見本が新しい部品を代表するかを判断します。変更記録には、そのまま使う条件と再承認する項目を明記します。旧見本は以前の版を識別できる状態で残し、受入では図面、表、見本が同じ承認の組み合わせになっているかを確かめます。
方宇の薄板トレー検査と厚板の仕上げを分けて指定します
方宇(FUNYO)の薄板真空成形トレーの洗浄工程には、外観全数検査と投影拡大による抜取検査があります。洗浄後の成形容器は20倍に拡大して確認し、動かせる異物が見つかったら汚染源を調べます。これは薄板トレーの工程であり、注文では観察区域、異物の判定、包装との接触条件を指定します。
トレーなど中小部品の寸法測定については、ニコンVMR-6555三次元全自動画像測定機とVMS-5040光学2.5次元画像測定機を用いた相談ができます。寸法記録、異物の観察、外観写真は目的を分けて扱います。品質保証ページには設備と記録の区分があり、発注時の検査範囲を整理する資料として利用できます。
厚板部品の仕上げ端面は、三軸・五軸CNCによるトリミング、ばり取り、穴・溝加工と組み合わせ、図面と取り決めた見本で判定します。方宇が評価する板材はABS、PC、PVC、PETG、PPです。色、シボ、接触条件を材料の依頼に添えます。質問項目は厚板真空成形の板材選定ガイドも参考になります。
塗装・フィルム・射出成形を先に比較するのはどんな場合ですか?
広い鏡面光沢、連続した面でのごく小さな見え方の差、複雑な内部構造が中心の部品では、型を作る前に別の製造ルートを比較します。塗装、フィルム、射出成形では最終表面を作る仕組みが異なり、それぞれの材料、加工、検査条件を供給範囲に含めて判断します。
比較する際は、組付けた視点、目標見本、欠点限度をそろえます。表面処理を加える場合も、端面の被覆、開口、色の一貫性、補修の方法を指定します。厚板真空成形の形状は厚板真空成形の設計:勾配・R・肉厚から整理し、丸み、間隔、型接触方向を決めてから、残る表面要求の担当工程を考えます。
次は区分図・欠点見本・受入表を一緒に送ります
見積依頼には組立図、A/B/C区分、板材とシボ、位置を記した写真、観察条件案を添えます。不適合品を扱う場合は、発見工程と元の包装状態を残します。外観、組立、接触安全のどこに影響する問題かを示すと、試作品で重点的に見る箇所が伝わります。
方宇は4時間以内に応答し、2営業日で適用性評価と比較見積を提示します。提案を受けた後は、成形、仕上げ、保護、検査の範囲を同じ版の仕様にまとめます。試作品と限度見本の承認記録を残し、その組み合わせを後続の受入にも使うことで、判定条件を継続できます。